「このまま今の職場で働き続けていいのか?」「もっと自分らしい人生を歩めるんじゃないか」など、40代を迎えるとこのような葛藤を抱える人少なくないと思います。 この文章を書いている私自身も40代も半ば、つい最近この悩みに直面し葛藤しました。
自分だけがこんなにも苦しむとは、まさか心に変調を来したか、、、? と 抱え込んでしまいましたが、これは「ゴーギャン・コンプレックス」と呼ばれる 中年期特有の心理状態であり、産業カウンセラーの教科書にも載っている、広く知られたものです。
その由来は、19世紀フランスの画家ポール・ゴーギャンが30代後半で会社を辞めて画家となり、さらに妻子をも捨ててタヒチへと渡り、生涯画家として一生を終えたという逸話になぞらえて名付けられたものです。ゴーギャン・コンプレックスを抱える人は以下のような考えに悩み苦しむのが特徴です。
1)今まで積み上げてきたキャリアや人生のあり方に疑問を感じ始める
2)新しいことへ挑戦したい欲求が湧いてくる
3)今の生活に安定感を求める一方で、新しいことに対する期待と変化への不安を感じる
ゴーギャン・コンプレックスは人生の岐路に立たされた中年期だからこそ訪れる 貴重なチャンスともいえるものです。ピンチはチャンス、物事は表裏一体。
自分の心と向き合い、自分にとって幸せとは何かという問いへの答えを見つける大切な機会として捉えることは、先の人生を考えて大事だと思います。
周りにそんな悩みを抱えている人がいたなら、その時は援助者として、またもしも産業カウンセラーである皆さま自身がそうなってしまったら、他の方の助けを借りて自身と向き合い、それぞれの人生の後半戦への歩みを踏み出すきっかけとしてみてはいかがでしょうか。