三重地区広報部 若杉 裕美
思いがけず万博を訪れる機会に恵まれ、7月11日に行ってきました。朝から快晴で猛暑が予想される中、凍らせたお茶と水1リットル、つば広帽子と薄手のパーカーで臨みました。
現地へ向かうバスの中、ガイドさんが大阪・関西万博の背景を説明してくれました。会場となる夢洲はかつて2008年オリンピックの候補地でしたが、北京に破れてから万博会場として誘致し、閉会後は統合型リゾート施設(IR)が整備される予定とのこと。万博会場のすぐ隣の敷地には重機が何台も入っていて、車窓からもIRの建設が着々と進んでいる様子をうかがい知ることができました。
観光バスの駐車場から会場入口である西ゲートまでは、ほぼ屋根のないところを20分ほど歩くので、この時期熱中症対策は必須です。ゲートの手前には万国旗が掲げられていて、国際的な催しであることを実感できます。
入口にたどり着く前からすでに涼みたくなっている気持ちを抑えつつ、手荷物検査を済ませ、ゲートから真っ先に向かったのは昼食会場のレストランです。建物に一歩入るとまるで別世界、涼しい空間が広がっていて生き返った気持ちになりました。
エネルギーチャージして大屋根リングに上ると、360度の青空に大きな入道雲がいくつも広がっていました。
全身で夏を感じながらリングの木道を歩こうとしたその時、何やらこっちにゆっくりと動いてくる白い箱が見えます。近づいてみるとそれはゴミ箱で、分別式の投入口にゴミを入れようとすると、「停止します」と言って止まってくれます。思わず「かわいい」と口に出していました。人手不足解消のために開発された自律走行型のゴミ箱ロボットだそうで、まさに日本が直面している社会問題への挑戦だと思います。深刻になりがちな課題解決にさえ宿る遊び心に、技術者の心意気を感じました。
万博のテーマはいのち輝く未来社会のデザイン、コンセプトは未来社会の実験場だそうです。国内パビリオンの見学では、AIの誤作動が地球滅亡の危機を招くとか、iPS心臓を移植された科学の子、といったストーリー仕立てのものや、iPS心筋シート、大阪のものづくり企業の展示など、まさに実験に立ち会っている印象です。
ガイドさんによると、万博には技術見本市の役割もあり、これまで万博で披露されたものには、1859年ニューヨーク万博のエレベーター、1970年大阪万博の缶コーヒー、携帯電話、歩く歩道などがあるそうです。これらは今では生活の一部になっていますが、ゴミ箱ロボットや人間洗濯機、iPS心臓などは、未来にはどんな存在になっているのでしょう。
会場内ではAIの展示をいくつか見ましたが、近頃はAIカウンセリングというのもあります。日々進化するAIと人間によるカウンセリングの関係も、少し先の未来にはまた変わっているかもしれません。私は変化に柔軟に対応できるだろうか……700円のソフトクリームを頬張った後、すっかり溶けてぬるくなったお茶で喉を潤し会場を後にしましたが、帰ってからあれこれ考えさせられた万博でした。そしてなぜか、もう一度行ってみたくなっています。





